どうも、みずきちです。
たとえば子どもに宿題を指示したときとかお願いしていたお手伝いの進捗を確認するときとかに、「今からやろうと思っていたのに」と言われたことはないですか?
僕も小学生のころに、親に「宿題しなさい」と言われて同じように言い返したことを覚えています。
母親からすれば「わかりきった嘘をついて言い訳をするな」と思ったことでしょう。僕だっていまなら同じように思うかもしれません。
でも、当時の僕は嘘をついたつもりはなかったんですよね。
本当にやる気がなくなってしまったのです。
この原因を明らかにすることで、実際に子育てをする際に活用することができるかもしれません。
ということで、解説します。
人は自由を侵害されたくない
「いまから夏休みの宿題を10ページ必ずやりなさい」とか逆に「12時まで絶対に遊んではいけません」と命令されたときにどんな感情になりますか?多分「なんでそんなことを言われないといけないんだ」と反発する気持ちが湧き上がってくると思います。
1966年にアメリカの心理学者「ジャック・ブレーム」が提唱した心理学の理論で、人はなにかを強制されたり逆に禁止されるなどして、自分が選択をコントロールできると考えているものを侵害されると抵抗や反発した気持ちを抱く、というものがあります。
これを心理的リアクタンスといいます。
人は自分で選択をコントロールしたい生き物です。
「宿題をしなさい」というのは宿題をするタイミングや何をしていまを過ごすか、という自分で決定したいこと、決定できるべきであることに対して強制されるから反発をしてしまうわけですね。
つまり適当に嘘をついているわけではなく、心理的リアクタンスによって反発をしたくなっていたり、やる気を損ねてしまった結果の「今やろうと思ったのに(お母さんのせいでやる気がなくなった)」という嫌味を言っているんです。
心理的リアクタンスをどうやって回避するか
子どもが宿題を「今やろうと思ったのに」と言うのは心理的リアクタンスが働くことによるやる気の喪失が原因でした。(中には本当に適当な言い訳をしている子もいるかもしれませんが…)
仮に子どもは何時からやるか決めていたら、これによってやる気がなくなってしまうのはもったいないですよね。できればモチベーションを保って宿題や勉強を自発的にしてほしいものです。とはいえ心配なのが親心というもの。
ではどうすれば子どものモチベーションを損ねることなく宿題に取り組んでもらえるのでしょうか。
選択肢を与える
何度も繰り返しますが、人は「自由にできると思っているものを他人にコントロールされる」ことを嫌います。あなたも食べるものや出かける場所、寝る時間をすべて管理されると嫌な気持ちになりますよね。
子どもに何かお願いをするときは選択肢を与えてあげましょう。
「宿題は国語からする?算数からする?」とか
「今日は何時から宿題する?」とか
宿題をすることは前提に、詳細の選択肢を与えてあげましょう。
自分でコントロールできる部分があるだけでモチベーションは大きく変わります。
子どもはモチベーション1つで驚くような成長を見せてくれます。
のびのび楽しんで自発的に学んでほしいですよね。
ご褒美を用意してあげる
自発的に取り組んでもらう方法として使い古されていますしとてもシンプルですが、即効性が大きいです。
「宿題が終わったらおやつにしようか」と声をかけてあげたり、「お手伝いしてくれたらお小遣いあげるよ」なんていう交渉はよく聞きますよね。
もちろん効果は抜群で子どもはご褒美をもらうために率先して宿題やお手伝いをしてくれることでしょう。でも、やりすぎには注意してください。
「過剰正当化効果」というものがあります。
ややこしい言葉ですが、簡単に言えばご褒美によってやる気がなくなってしまうというものです。
すこし踏み込んだ話をすると、モチベーションには内発性のものと外発性のものがあります。
内発性のモチベーションとは、自分がやりたいからやるというもので言葉の通り内側から発生するモチベーション、やる気のことを言います。
外発性のモチベーションはその逆で、お菓子やお小遣いといったご褒美がモチベーションにつながっている状態のことをいいます。
なんとなくイメージができると思いますが、外発性よりも内発性のほうが大きいモチベーションに繋がります。お金を払うからやりなさいと言われてする仕事よりも、やりがいを感じる仕事のほうがやる気が出ると言い換えるとわかりやすいですよね。
ご褒美がもらえなくなった途端にやる気がまったくなくなってしまうというのも容易に想像ができると思います。
厄介なのは内発性のモチベーションを持っている人にご褒美をあげてしまうと、自発的に取り組んでいたはずなのにいつのまにかご褒美のために取り組むようになってしまうのです。
つまりもともとはやる気を持って取り組んでいたのがご褒美が目的になり、当然そのご褒美を与えなくなるとやる気も喪失してしまいます。
話を宿題に戻します。
どうやってもやる気を見せてくれない子どもに、お菓子をあげるからと宿題をやらせることを続けているとお菓子がないと余計に宿題に対して真剣に取り組まなくなるリスクがあります。
また、もともと自発的にできていた子に対して、褒めてあげたいからと過剰にご褒美を与えるといつの間にかそれを目的に宿題や勉強をするようになるかもしれません。
断っておきたいのは、決して褒めるな、ご褒美をあげるなと言っているのではありません。
自己肯定感を高めるためにも絶対に褒めてあげてください。
ただ、あまりにも過剰に褒めるのではなく優しく見守りながらというのを心がけましょう。
まとめ
子どもはひねくれているように見えることもあるかもしれません。でも、毎日全力で楽しんで、時には真剣に悩んでいます。あなたの小学生時代も振り返るとそうじゃなかったですか?
成長途中だから時々失敗をしてしまったり、大人から見ればもどかしく感じることも多々あるでしょう。僕も一児の父ですが、毎日もどかしい気持ちになります。親としてまだまだ未熟だなと感じることばかりです。
月並みですが、子どもと一緒に親として成長していっている途中です。
子供に対して頭ごなしに否定をしたり押し付けるのではなく選択肢を与えてあげて、宿題やお手伝いをしてもらったときには適切なご褒美を与えてあげましょう。
「今やろうと思ったのに」ではなく「いまから宿題やるよ」と言ってもらえる日が来ますように。
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